The Paradox between the Principles of Precautions and Victims’ Supports: Presence and Future of the History of Yucheng
Resource
文化研究
Router: A Journal of Cultural Studies
Journal
文化研究
Pages
-
Date Issued
2010-06-30
Date
2010-06-30
Author(s)
Tokura Tsunenobu
Abstract
本論以台灣和日本的油症事件史為典型的例子,透過這些事件史之中共有的項目──「倫理」問題,從中去尋找以往之所以被容許「預防原則」論述的機制為何?對於環境、消費者保護,甚至對於受害者的支持、救濟等,這些「善意」言行之中,不斷地預設了對於人、事、物上有著「要求完美/排斥不完美」(零風險)的思維。 然而這些「善意」,僅不過是依賴「不完美的實定法」而被逆向規定的範疇而已。所謂國家訂定的基準,雖然事先認識「明日」安全的範圍,但這些基準必須要等到「明日」發生狀況之後,才能考驗其妥當性。換言之,稱為保護、支持甚至救濟等符號是,因為需要等到發生狀況之後,再能夠以防範未然、有益於「明日」安全作為行動的原則。所以不被檢驗其「善意」內容。結果,將整個論述陷入於國家基準更換史之中 ,而 在油症「受害者支持」的論述過程上,始終未曾有人提出質疑:以「優生」保健、提高人口「素養」為由,宣導人民進行遺傳性、傳染性以及精神性疾病的檢查,若發現「有異」,則能要求受驗者接受人工流產、結紮手術的《優生保健法》的「法理」性。 我們不能忽視,對於這實定法的「善意」,原來是來自於作為「新思想」的預防原則。
本論は、台湾と日本の油症事件を事例として、事件史の中に共有されている項目──「倫理」問題から、これまで「予防原則」という語りを支えてきた社会的機制が何であったかを探求してゆく。知られるように、環境や消費者の保護、また被害者の支持や救済といった「善意」には、当たり前のように事・物や人に対してゼロリスクを求める志向が措定されている。しかし、この思考の合理性は、単に不完全な実定法によって逆規定されているに過ぎない、ということまでは殆ど知られていない。問題は、国家が定める基準には、既に「明日」の安全な範囲が事前に告知されている(と認識されている)にも関わらず、これらの基準は、明日になって事が発生してから其の合理性が試されるに過ぎない構図に存在する。保護や支持、また救済を呼ぶ御仁は、只管「明日」の安全を求めることで「善意」を精査する作業から逃れている。結果、規格化されてゆくのは「誰」なのか、という最も基本的な命題は置き去りにされている。核心的な問題は、油症「被害者の支持」という語りの中で、誰も「優生」を掲げ、人の「素養」を高めることを理由に、人々に遺伝的・伝染的・精神的疾病の検査を促し、「異常」が認められれば受験者に中絶や避妊手術の必要を迫る『優生保健法』の「法理」を問わない点に存在する。この実定法に対する「善意」は、新しい思想と呼ばれる「予防原則」によって裏書されるが故に、被害者を支持するという符号にも、既に人の規格化という命題と、「倫理」を省察する契機は失われている。
本論は、台湾と日本の油症事件を事例として、事件史の中に共有されている項目──「倫理」問題から、これまで「予防原則」という語りを支えてきた社会的機制が何であったかを探求してゆく。知られるように、環境や消費者の保護、また被害者の支持や救済といった「善意」には、当たり前のように事・物や人に対してゼロリスクを求める志向が措定されている。しかし、この思考の合理性は、単に不完全な実定法によって逆規定されているに過ぎない、ということまでは殆ど知られていない。問題は、国家が定める基準には、既に「明日」の安全な範囲が事前に告知されている(と認識されている)にも関わらず、これらの基準は、明日になって事が発生してから其の合理性が試されるに過ぎない構図に存在する。保護や支持、また救済を呼ぶ御仁は、只管「明日」の安全を求めることで「善意」を精査する作業から逃れている。結果、規格化されてゆくのは「誰」なのか、という最も基本的な命題は置き去りにされている。核心的な問題は、油症「被害者の支持」という語りの中で、誰も「優生」を掲げ、人の「素養」を高めることを理由に、人々に遺伝的・伝染的・精神的疾病の検査を促し、「異常」が認められれば受験者に中絶や避妊手術の必要を迫る『優生保健法』の「法理」を問わない点に存在する。この実定法に対する「善意」は、新しい思想と呼ばれる「予防原則」によって裏書されるが故に、被害者を支持するという符号にも、既に人の規格化という命題と、「倫理」を省察する契機は失われている。
Subjects
油症問題/油症事件
預防原則/受害者支持
正常/異常
social control/individual independence
倫理/ethics
Publisher
台北: 遠流
Type
journal article
File(s)![Thumbnail Image]()
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Name
Router10-pp.194-212-tokura.pdf
Size
2.48 MB
Format
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Checksum
(MD5):7976e3aac0562deab4e925bd878f3823