油症問題の同時代史的考察:予防原則と系譜描写の前景(2)
Resource
月刊むすぶ
Journal
月刊むすぶ
Pages
-
Date Issued
2011-03
Date
2011-03
Author(s)
戸倉恒信
Abstract
カネミ油症事件の発生は、製油業界に熱媒体の早期転換という課題を突きつけていた。それを考える契機は、1974年5月に築野(つの)食品工業が高圧蒸気による脱臭装置を設置した状況に生じている。この、該社の『社史』から篩い落とされることのない当該史料は、当時、農林水産省を介して紹介され、「業界」に新技術は齎された、とされている。しかし、この「史料」が該社の『社史』に取り込まれているのはなぜなのか。それは、カネミ油症事件を受け、課題解決の為には社の内外を問わず、技術家同士が連帯した事が賞賛に価したからである。だとすれば、この「業界」という概念の外延は一体何処であったかを問わねばならない。さて、これまで日本と台湾の『油症事件史』というテクストを創った人々が、新たな高圧蒸気脱臭装置が普及してゆくこの「史実」に全く関心を示せなかった理由とは何だったのか。糠油を生産する一企業の『社史』に積極的に取り込まれている史料は、なぜカネミ油症の「再発」予防を見つめる人々の篩から終始抜け落ちているのだろう。事件は、戦後「から」事件史を書くことで「再発」している。日本か台湾かを問わず、『油症事件史年表』を書く上で応用されるポスト植民地主義の「戦後」問題は、ここから確認できるのである。
Kanemi油症事件的發生是讓製油業界盡早更換熱媒體的課題。然而,在此所謂「業界」的外延究竟至何處?思考這問題的契機,則是在1974年5月,築野食品工業株式會社設置了高壓水蒸汽脫臭器的狀況之上而產生。當時,該社將此消息透過農林水產省介紹給業界內的技術人員,而這個訊息的傳遞被記錄在築野食品的《社史》之中。但是,在此需要思考的是,無論台灣或日本,為何目前的《油症事件大事記》(所謂「事件年表」)之中,並未將「高壓水蒸汽脫臭器的普及過程」的史實記錄於其中?思考這問題之後,便能查覺得到,台灣/日本兩地各別所編輯的《油症事件史》,是在後殖民主義的「戰後」認識之下所被塑造出的歷史。
Subjects
職責
連帶
ジャーナリズム
ポストコロニアル主義
戦後日本/台湾史
Type
journal article
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